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天然繊維“獣毛”に注目 -1-

心地いい暮らしのヒント


これから迎える冬。快適に気持ちよく過ごすために、身近なモノを見つめ直してみませんか。今回はセーターやストールなど冬物衣類の素材に注目。天然繊維“獣毛”について教えてもらいました!

獣毛特集のイメージ画像。

 
東和毛織株式会社 ・本社営業部 ・柴田健二さんの画像。

この人に聞きました!


東和毛織株式会社

本社営業部

柴田健二さん


東和毛織株式会社はウールや獣毛、特にアルパカなど毛足が長く、扱いが難しい原料を用いた高品質な糸の生産を得意とする毛織物産地・尾州の紡績会社。柴田さんは海外からの原料買い付けから生産、製品の提案・販売まで、糸づくりに精通するプロフェッショナル。

 

そもそもの話

獣毛ってすごいんです!


“獣毛”という言葉、あまり聞き慣れませんよね。獣毛とは動物の毛のことで、ウール(羊)、カシミヤ、アルパカ、ヤクなどさまざまあり、昔から衣類や暮らしの素材に利用されてきました。


標高の高い山岳地帯、寒暖差の激しい砂漠といった過酷な環境下で動物が生きていくために、獣毛は毛自体が保温、調湿などの機能をもち、それは糸という素材になっても生き続けています。どんな獣毛も共通して備えている特長は「保温性」と「吸湿性」。


近年は快適性や暖かさをうたう化学繊維の衣類が流通していますが、獣毛、特にウールの機能性を上回るものはない、というのは驚きの事実です!

 

獣毛の代表選手「ウール」の保温力・吸湿力の秘密!


◆保温性


保温力は「いかに空気をため込めるか」がポイント。ウールは繊維に縮れ(クリンプ)があり、空気の層ができるため暖かさを保ちます。


一方、獣毛でもラクダ科(アルパカ、ビクーニャなど)は直毛で、空洞になっている毛の内部に空気をため込み、保温性を維持します。


◆吸湿性


ウールは繊維にうろこ(スケール)があり、うろこが開いたり閉じたりすることで、水分を吸い込んだり放出したりします。また、ウールは水を弾くけれど吸湿性に優れているという不思議な特徴があります。

 

保温性・吸湿性に優れたウールの着心地の特長

・蒸れない

・汗をよく吸う

・暖かいetc.


ウールの衣類は着用時に下着を着たり、そもそも裏地がついていたりと、着心地の特長を実感できる機会が少ないもの。快適さを知る入門編としておすすめは、靴下、ネックウォーマーなどの小物です。価格も手ごろで気軽に素肌に着用できるから、ウールの良さを体感できます。


◆でも……

・素肌にふれるとチクチクしない?

・洗濯したら縮まない?


★そんなウールの疑問を解決!

詳しくは「vol.2」へ!

 

Columun

獣毛とお値段の話


獣毛の中でも有名なカシミヤは「繊維の宝石」と言われ、値段が高いですね。これは獣毛の価格に、動物1頭から採れる毛の量や採取する手間、飼育環境による輸送コストなどが反映されていることも理由です。


ウールは多くの毛を採取できるよう長い歴史をかけて品種改良され、短時間の毛刈りで1頭から3kg~5kgの毛が採れます。それに比べ、カシミヤはカシミア山羊の産毛を専用の櫛ですき、1頭からわずか150g~250gしか採れず、山奥の産地から輸送する必要もあります。


また、キャメル(ラクダ)は衣料向けにはフタコブラクダの産毛が使用され、換毛のため抜けそうな毛からすき採ったり、地上に落ちた毛から採取するとか。さらに、獣毛は繊維が細いほど上質で、値段も上がります。

アルパカイメージ画像。

◇ ハピなびなごや / ハピなび津島 / ハピなび一宮・稲沢2024年11月8日号 掲載情報


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